ビルを売却するときの不動産屋の選び方

ビルオーナーにとって、所有するビルを売却しよう、となったときにどこの不動産会社に依頼するかは悩ましいのではないでしょうか?
管理を委託している不動産屋でしょうか?
誰でも知っている大手不動産会社でしょうか?
信託銀行でしょうか?
今回は難易度の高い、ビルを売却するときの不動産屋の選び方についてのコラムです。


ビルを売却するときの不動産屋の選び方 その1 

ビルの老朽化、空室率の上昇、家賃滞納、相続などを原因として、あなたはいよいよビルの売却を検討しはじめました。
ビルを所有しているあなたは、空室時の賃貸募集、日々の管理などで馴染みの不動産屋と付き合いがあるでしょうか?
ビルオーナーであればおそらくはなにかの形でどこかの不動産屋とは付き合いがある、もしくは知っていることが一般的なはずです。
では単純に、付き合いがあったり、知っていたりというだけで、その不動産屋はビルの売却ができるのでしょうか?
売主はあなたなので決めるのもあなたで自由ですが、ちょっと待ってください。
ビルはマンションや戸建てのような住宅と異なり、個別性がとても高いため、評価や売却が難しいのです。
たいていの不動産屋は、あなたから売却の相談を受ければ、「うちでできますよ~」と二つ返事なはずです。
「いや~うちはビルの売却はできないので他に相談してください!」といってきたらそこはいい不動産屋です。
稀有な存在なので教えて頂きたいです。
少なくとも町場の不動産屋であればビルの取引経験は少ない、もしくはないので、顧客のことを考えれば取り扱えないはずなのです。
乗用車を取り扱う中古車屋が、トラックやキャンピングカーを売ってくる、というほど似て非なるものなのです。
この点を十分理解した上でどこの不動産屋に依頼するか決めましょう。

ビルを売却するときの不動産屋の選び方 その2 

さあ、いよいよ不動産屋の選び方です。
不動産流通業(仲介)を営む会社は世の中に有象無象に存在していますが、大別すると、①信託銀行、②大手不動産会社、③町場の中小不動産屋の3種類です。
左から右に規模が小さくなっていきます。
あなたが数十億円規模のビルオーナーの場合、迷わず①の信託銀行に駆け込んでください。
きれいな応接室でスーツにネクタイのびしっとした営業マンが喜んで対応してくれます。
信託銀行の情報網はすさまじく、泣く子も黙るレベルです。
全国の売りと買いのオーダーを網羅しています。
さらには銀行取引、という伝家の宝刀を引っさげ、企業に対しては容赦なく取引に巻き込みます。
おそろしいですねえ。
このように無敵と思しき信託銀行にも死角があります。
高給で営業マンを雇い、高い収益目標(いわゆるノルマ)を課せられるので、大規模のビルしか売ってくれません。
そうです、客を選ぶのです!
けしからん!と思ったあなた、落ち着いて下さい。
けしからんとかけしかるとかの問題ではなく、信託銀行は大きなビルしか興味ないんです。
社内で取り扱う物件の規模を線引きしてるんです。
しょうがないんです!
どのくらいの規模かというと10億円が目処です。
あとは取引や付き合いに応じて5億円程度から対応してくれるかもしれませんが、彼らのやる気はでないのであきらめた方が無難です。
ビルを高く売るには情報網やスキルだけではなく、担当者の情熱も大事だからです。

ビルを売却するときの不動産屋の選び方 その3 

次に、②大手不動産会社です。
神々しい信託銀行様に体よくお断りをされたあなたは、そこかしこに店舗がある大手不動産会社に駆け込むのでしょうか?
それは正解でしょうか?
大手不動産会社の特徴は安心感につきます。
情報量は信託銀行に劣りますし、熱意は町場の不動産屋に遅れることが多いです。
大手不動産会社の営業マンのスペックはどの程度なのでしょうか?
看板があるから町場の不動産屋より高いのでしょうか?
バラツキが激しいため、非常に難しい。
これはあなたが判断することなので直接話してみてください。
一つ間違いなく言えることは、大手不動産会社には法務部という部署があるので契約書類などは大変にしっかりしています。
一方で大半の大手不動産会社がビル売却を得意としているかは懐疑的です。
なぜならばマンションなどの住宅と異なり、ビルは圧倒的に件数が少ないため、経験を積むことが難しい上に、住宅の買主を多く抱えている大手でも、ビルの買主を多くは抱えていないからです。
ただし、大手不動産会社のなかにはビルなどの住宅以外の不動産を専門に取り扱う部署がある会社もあるので、検討してみてもいいかもしれません。
店舗の営業マンはビルの取引経験や知識は皆無なので、必ず専門の部署を調べてそこに直接相談しましょう。

前述の信託銀行しかりですが、大手の売りは何と言っても安心感です。
知名度も過去の取引件数も桁違いです。
デメリットとしては柔軟な対応ができないこと、厳しいノルマが課されているのでとにかく勧誘含めてしつこいです。
あとは、意外にも行儀が悪いです(為念、全ての大手ではないですが)。
実体験ですが、査定依頼しただけなのに見込み顧客リストに掲載され、売った後も何年も電話がかかってきます。
また会社によっては相談しただけで売却依頼もしていないのに、勝手に売却活動を始めるので、所有者とトラブルになる、な~んてケースもあるんです。
恐ろしいですねえ~。
「○○さん(あなたのことです)、お持ちのビルを売ってるんですって?」
あなた「えっ?」とまさに寝耳に水です。
そんなこともありますので、不動産屋選びは慎重にしてくださいね~。
看板より実績よりも担当者が信頼できるか、これにつきます!

ビルを売却するときの不動産屋の選び方 その4 

最後に一番身近な③町場の中小不動産屋です。
町場の不動産屋の特徴は地元密着で営業していることが多いため、地域の情報に詳しいことです。
一長一短あるのですが、ビルなどの事業用不動産の取り扱いに慣れている町場の不動産屋は非常に少ないです。
逆にいえばマンションや戸建てなどの住宅の取引は得意で異常に詳しく、どこどこはいついくらで売れた、売った人や買った人の家族構成や、なんなら趣味まで把握しているのが特徴です。
すごいですね~。
デジタル社会どこ吹く風でアナログを地で行く頼もしい人々なのです。
このように町場の不動産屋は地域内で取引を完結することが得意であるため、ビルのような個別性が高い事業用不動産の売買において、広く買主をさがすことは得意ではないのです。
相談すれば「できますよ~」というかもしれませんが、試しにどのように売却するのですか?と聞けばとたんにフリーズする可能性が高いです。

いかがだったでしょうか?
万能な不動産会社や不動産屋はいません。
それぞれ得手不得手があるのはどの業界も同じです。
なんでもできる、はなにもできないのです。
あなたのビルの規模に応じて上記を使い分け、大切な資産を安心して少しでも高く売りましょう!
弊社は代表自身がプロ投資家としてビルを購入・運用していた経験が豊富にあるため、買主が見るポイントを熟知しております。
買主の立場から売主様にアドバイスができるのが他社にない特徴ですので、お気軽にお問い合わせください。

シン不動産DX株式会社の自社ビル・一棟ビル売却について

シン不動産DX株式会社は自社ビル・一棟ビルの売却をサポートする不動産会社です。
「築年数が経ってなかなか売れない」「空室が多くて売りにくい」などのビル売却のお悩みに専門スタッフが最適なご提案をします。

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tomita