空き家の有効活用 賃貸運営をはじめとする費用対効果

空き家を所有しているけれども、当面は売却したり、居住する予定がないので有効活用したい、でもどのように活用するのがベストか、費用はどの程度かかるのかが分からない。このような悩みを持つ空き家の所有者の方々は多いです。特に自己居住用の不動産しか所有したことがない方々にとっては、空き家の運用方法は悩みの種ではないでしょうか。所有する空き家に愛着があったり、単純売却だけではなく、手放さないで有効に活用したい、という意向がある方には必読です。


空き家の活用方法 概要

空き家は放置すると建物の状態が悪化し、資産価値が下落し続けます。
一方で適切な活用すれば資産価値を維持するに留まらず、向上させることも可能です。
ではどのうように活用すれば資産価値を向上させられるのでしょうか。
賃貸する、リノベーションする、アートギャラリーにする、カフェにする、など選択肢は多岐に渡ります。
エリアや立地によって適切な用途は異なってくるため、最有効活用方法は一概にはいえませんが、様々なバリエーションが想定できます。
費用対効果もありますが、放置するよりは社会インフラとしての役割を十分に果たすことができるので、多くの選択肢を検討しましょう。
空き家は放置ではなく、利用することで収益を生み、社会貢献し、価値が向上するのです。

空き家の具体的な有効活用方法と費用

空き家の具体的な有効活用方法 賃貸 ①概要

空き家は放置ではなく、有効活用することで大きな収益が見込めます。
もっともベーシックな収益化としては単純な賃貸です。
ただし、賃貸する場合は契約内容に注意しないと建て替えや売却に支障をきたします。
また、空き家だった建物を賃貸するには、ハウスクリーニングや部分補修だけで貸し出すことは難しく、キッチン、バスルーム、トイレなどの水廻りは交換する必要性があります。
その場合、数百万円単位での費用が発生するため、貸し出す場合の賃料との見合いを十分に計算する必要があります。
ただし、築年数が比較的新しい物件、または比較的直近でリフォームを施した場合はこの限りではありません。
家賃は所在地によって大きく変動するため、注意が必要です。
東京都心部であれば月額20万以上の家賃も十分に狙えますが、地方であれば5万円程度でしか貸せない場所も多いです。
所在地によってこれだけ家賃に差が出る一方で、リフォーム費用はほぼ同額です。
家賃が5万円程度しか取れない物件であれば、リフォーム費用が回収できないため、他の活用方法を検討すべきなのです。

空き家の具体的な有効活用方法 賃貸 ②メリット

空き家(一戸建て)の賃貸にはメリットとデメリットがあります。
メリットとしてはマンションとは異なり、一度賃借人が入居すれば短くても5年程度、長ければ10年以上住んでくれる可能性が高いことです。
一戸建て住宅には、小さな子供がいる、大型犬などのペットがいるなどの理由でマンションを敬遠する方々が一般的です。
これは収益性の観点からは秀逸です。
賃借人が頻繁に入れ替わると費用が嵩み、収入が減るのです。
居住用物件の賃貸の場合、貸主(所有者)の費用負担で建物をリフォームする必要があること、次の賃借人が決まるまでの募集期間(長ければ数か月)の家賃収入がなくなること、入居者を見つけるには不動産会社に手数料などを支払う必要があることなどが主な原因です。
さらに、賃借人が家賃を長期間に渡り払い続けてくれた上に、最後は買い取りたい!と高値で売却できることもあるのです。
これらより、空き家賃貸は極めて高収益な投資手法なのです。

空き家の具体的な有効活用方法 賃貸 ③デメリット

上述より、空き家賃貸はいいこと尽くめ!と考えるのは時期尚早です。
しっかりとデメリットもあります。
一般的に居住期間が長い傾向があることは、収益性の観点からはプラスですが、運用の柔軟性という観点からはマイナスです。
どういうことかというと、あなたが何かの理由で空き家に住みたい、または売却したい、となった場合に住めなかったり、売れなかったり、という事態に陥るからです。
日本における居住権は大変強く、あなたが住みたいから、という理由だけで賃借人を直ちに退去させることはできません。
また、賃貸借契約は一般的には2年間ですが、契約終了です、と一方的に契約を終了させることができないのです。
では運用の柔軟性を担保しながら、高い収益性を実現する方法はあるのでしょうか?
唯一の方法は、定期借家契約、といって賃借人の入居時に予め期間を定めておくことです。
契約期間は当事者間で決められますので、あなたの人生設計に沿った期間で契約できますが、定期借家契約は賃貸人であるあなたに有利な契約であるため、期間の定めのない一般的な賃貸借契約と比べて家賃は下がります。

単純賃貸ではない、空き家の有効活用方法と費用

単純賃貸ではない、空き家の有効活用方法と費用 ①概要

上記ではもっとも一般的な空き家の単純賃貸について説明しました。
単純賃貸以外にはどのような活用方法があるのでしょうか。
月額利用形態のシェアハウス、シェアオフィス、グループホーム、一泊単位の民泊、託児施設、フリースペース、コワーキングスペース、学習塾や教室、レンタルスタジオ、ギャラリー、カフェ、美容室、エステサロンなどの短期貸しの商業利用など様々な選択肢と運用方法があります。
ただし、エリアや立地によっても最有効活用方法は変わってくるため、入念なリサーチが必要です。
都心部であれば多種多様なニーズがありますが、地方では全くニーズがなく、単純賃貸もままならない、といった状況が現実だからです。
また、どの程度の運用期間でどの程度の費用をかけられるか、何をしたいのか、など空き家の所有者様の人生設計により、運用方法も変わってくるのです。

単純賃貸ではない、空き家の有効活用方法と費用 ②具体的な活用方法と費用

上述では空き家の具体的な活用方法について説明しましたが、実際にはどの程度費用がかかり、どのように運営するのでしょうか。
まず、流行りのギャラリーや古民家カフェなど、商用利用など事業用の場合は所有者であるあなたに大きなメリットがあります。
それは建物のリフォームというか修繕・改修費用が基本的にはかからない、ということです。
事業用賃貸の場合、居住用と異なり、建物の外部・内部・設備などの改修費は賃借人が負担するからです。
ただし、どの程度まで賃借人が負担するかは空き家の立地やエリアによって異なりますが、居住用に貸し出す場合と比べてあなたの費用負担が少なくなることは間違いありません。
立地やエリアによっては単純賃貸よりも多くの家賃を受け取れる可能性があるのも魅力です。
また、事業用に貸し出す場合でも、定期借家契約として賃貸期間を予め定めることで柔軟な運用が可能です。
空き家にある程度の広さがあればシェアハウスやグループホームといった複数人が居住する施設として貸し出すことも可能です。
この場合、契約形態がいくつかあるので注意が必要です。
大別すると、①あなた自身での自主運営、②専門業者に運営委託(外注)、③専門業者に物件を賃貸(家賃収入)の3パターンです。
当然③が一番楽ですが、大きな収入も見込めません。
このような施設として貸し出す場合は、キッチン、バス、トイレなどの水廻りや、一室を複数の個室への改修工事などで数百万円の初期投資が必要となります。

上記のように、空き家の有効活用方法は様々ですが、優先順位をつけることと、立地やエリアの特性を十分に調べることが重要です。
リフォームやリノベーションに多額の費用をかけたり、賃借人よ長期の契約を結んだりすることは、よくよく考えて行動しなければなりません。
空き家は放置ではなく、適切に運用すれば大きな収益をもたらす上に、社会貢献にも繋がるのです。

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tomita