自社ビルを売却するときの注意点

自社ビルを保有している企業はまだまだ多いのではないでしょうか。
バランスシートを軽くしたい、資金調達をしたい、手狭になったので移転したい、事業を縮小するので移転したいなどの理由で自社ビルの売却を検討する場合、どのようなことに注意すればいいのでしょうか?
今回は「自社ビル売却」についてのコラムです。


自社ビル売却の注意点 その1 概要 

自社ビルの売却を検討する場合、どのような点に注意が必要となるのでしょうか?
まずは売却理由です。
①移転、廃業などを理由とする単純売却なのか、②資金調達を目的とする売却なのかで売り方が変わってきます。
次に買主の用途です。
①貴社のように自社ビルとして使う(実需)のか、②投資目的で収益物件として買うのかです。
売却理由が①単純売却であれば、貴社が退去してビルを引き渡す、いわゆる「空渡し」という売り方になります。
売却理由が②資金調達を目的とする売却であれば、セールアンドリースバックという、ビルは売却するけれども、引き渡し後も貴社がテナントとしてビルに入居し続ける売り方も有力な選択肢の一つです。
自社ビルを新築時から使っている場合、自社仕様となっていて汎用性が低いビルも多々あります。
要はフロアや区画ごとに賃貸できない、特殊な造りになっているビルです。
この場合、実需として高値の売却は難しいです。
特殊な造りはニーズが少なく、買主を見つけにくいのです。
たまたま運よく、こんな造りのビルが欲しかったんです!、という買主が表れればいいのですが、そんなことは非常にマレです。
建築時に売却することまで考えないでしょうから、致し方ありませんし、後の祭りです。
結局ビルも住宅も無難な造りが一番流動性が高いんです。

自社ビル売却の注意点 その2 自社仕様のビル

さて、エントランスや共用部分など、自社仕様で特殊な造りになっているビルを売却する場合、どのような売り方をすればいいのでしょうか?
売却後もビルに入居し続けたい場合は、セールアンドリースバックがベストです。
おそらくはこの売り方が一番高く売れるでしょう。
特殊な造りのビルの流動性は著しく下がります。
使い難いし、貸し難いからです。
一般的なビルの造りに戻すには多額の費用がかかりますし、それがてきなかれば解体する必要もあります。
そうすると当然に価格が下がってしまうのです。
セールアンドリースバックで売却する場合、売却後も使い続けることができますが、当然ながら支払賃料が発生します。
共用部分があり、マルチテナント仕様(複数のテナントが入居できる造り)であれば設定賃料は相場水準で問題ないのですが、シングルテナント仕様(一棟借り)の場合、一般的には賃料が相場より高めの設定となります。
汎用性がなく、貴社が退去すれば賃料収入が一気にゼロになる、というリスクを買主がとらなければならないからです。
売却後はもう使わないので、単純売却でいいんだよね~、という場合は売り切りモードとなります。
この場合も前述のとおり、使い難さから高値での売却は難しいと理解しておいてくださいね。
買主候補は自社で使う実需と、取得後にテナントに貸す投資目的とどちらにもアプローチできますが、一般的には前者の方がビルを高く評価してくれるので、高値で売却できます。
エリア、立地、建物の状態にもよりますが築年数が古い場合、特に1981年以前に建てられたビルは思い切って解体して更地として売却するほうが高くうれる可能性が高いです。

自社ビル売却の注意点 その3 一般仕様のビル

各階に共用部分があり、キッチン、トイレなどの事務所または店舗として最低限必要な設備があるビルであれば、特に心配する必要はありません。
自社仕様の実需としても、テナントに賃貸する投資目的としても売却できます。
幅広くアプローチし、高値での売却を目指しましょう。
ただし、築年数が古い場合、特に1981年以前に建てられたビルは耐震性の観点からも売り難い傾向があります。
場合によっては解体して更地として売却するほうが高くうれることもあります。
エリア、立地、建物の状態を考慮し、最適な売り方を検討しましょう。
築年数が古い、小規模のビルでエレベーターがない場合も売り難くなります。
いくら自社仕様といえど、さすがに4階、5階まで毎回毎回階段での移動は健康に良すぎます。
社員の方々の下半身が強靭になりすぎますよね~。
健康産業の企業であれば、ネタにはなるので面白いかもしれませんが。
賃貸する場合も然りです。
マルチテナント仕様のビルといえども、エリア、規模、築年数などで最適用途が変わってくるため、多角的な検討が高値売却のコツです。

自社ビル売却の注意点 その4 ビルの資料

最後のトピックです。
以外に重要なのが所有するビルに関する資料です。
小規模な築古ビルの場合、なにもない!なんてこともあります。
これは結構問題なんです。
なぜなら買主がビルの構造、設備、状態がなにもわからないからです。
建築確認申請書や検査済証などの役所関連の資料は後から取得することが可能ですが、新築時や増改築時の躯体や設備の図面や仕様書は役所にいってもくれません。
紛失している場合、建築設計事務所などに依頼して書き起こしてもらうしかないです。
設備など、完全に書き起こせない箇所がでる可能性もあります。
これらの資料がなぜ必要かというと、買主が銀行から購入資金を借りるときの必要書類でもあるからなのです。
不動産、特に高額になるビルはお金を借りて買います。
これは、お金が借りられないビルは、少なくとも高くは売れないことを意味するのです。
億単位の買い物で、商品(建物)に関連する説明書はなにもないけど、高く買ってね!、は無理があり過ぎるのです。
そうはいっても図面の書き起こしは費用も時間もかかるので、築古ビルであれば思い切って解体する方法もありかもしれません。

いかがでしたか?
特に自社仕様の特殊な造りのビルは多くの論点があるため、売却の何度が高いですが、上記注意点を参考に売却方法を検討してみてください。
弊社ではビルオーナー様の立場でお悩みを共有し、ご意向にそうかたちでの売却を現実しますので、お気軽にお問い合わせください。

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tomita