アパートなど収益物件を売却する流れ

アパートなど収益物件売却の全体の流れ

マンション、アパートなどの収益物件を売却する場合は、持ち家を売却する場合とは勝手が大きく異なります。
収益物件の場合は持ち家売却にはない、利回りという項目が追加されます。
市況に応じて、「利回り5%」というように収益性が重視されます。
ただし、売却の流れとしては持ち家と同じで以下となります。

①査定
②不動産会社との媒介契約の締結
③売却活動の開始
④売買契約の締結
⑤決済・物件の引き渡し

収益物件を売却する場合は、現状の稼働率(空室率)が大きな要素となります。
売却する物件の収益性に直結するからです。
売却する物件の空室率が高い場合は、空室率を下げて売る、安くてもいいから現状のままで売る、という大別して2つの売却戦略があります。
時間的猶予があれば当然に空室率を下げてから売却する方が高く売却できますが、一方で空室率低下には時間を要します。
また、木造アパートなど、比較的取り壊しが容易な建物で立地がよければ、更地として売却する方が高く売却できることもあります。この辺りは不動産会社と相談して売却戦略を決める必要があり、不動産会社の腕の見せ所でもあります。
このように収益物件の場合、多くの変数と要素があるため、持家のような実需といわれる物件と比べて売却の難易度が高い傾向があり、依頼する不動産会社によって売却価格に大きな差がでる可能性があるため、売却依頼先の不動産会社は慎重に決める必要があります。
売却戦略を決め、査定が納得する金額であれば不動産会社と媒介契約を締結し、いよいよ売却開始です。
早ければ1週間、遅ければいつまでも売却活動を続けることになります。
買主が見つかれば売買契約を締結します。
売買契約締結後、約1ヵ月後に売買代金の決済・物件の引き渡しを行い、売却は完了となります。

アパートなどの収益物件の査定の流れと
不動産会社選定の注意点

不動産会社による売却活動の開始には査定が必要となります。
当たり前ですが売却価格をいくらに設定するかは大変重要です。ただし査定には注意が必要です。
複数の不動産会社から査定を受ける場合、不動産会社はあなたから売却依頼が欲しいために、まず売れない価格での査定金額を提示するからです。
素人のあなたには希望的観測も刺激され、こんなに高く売れるんだ!と舞い上がってしまうのですが不動産屋の罠です。
人気のマンションの人気の部屋、なかなか売り物がでない超一等地の物件でれば市場価格を遥かに超える価格で売却できることがありますが、それはかなりのレアケースです。
個別性が強い不動産といえど相場はあるのです。
収益物件の場合、マンションや戸建、土地のようないわゆる実需といわれる不動産と異なり、どの不動産会社でも売却できるわけではありません。
町の不動産屋など個人で経営している不動産会社の場合、収益物件が苦手もしくは扱えないことも多いので注意して下さい。
特に高齢者のワンオペ不動産屋は要注意です。
最も高い査定を提示した不動産屋に売却を委託すると悲劇が発生します。
そうです、売れないのです。
当たり前ですが相場より遥かに高い価格の物件を買う人は基本的にいません。
時間ばかり経過し、一向に売れない状況に陥ります。
時間の経過と売れないという現実にあなたの焦燥感は強まるばかりです。
半年も売れない期間が続くと、不動産屋はあなたの焦りを見透かしたかのように、「値下げしましょう!」と悪魔の囁きをしてくるのです。
こうなると後の祭りで値下げするしか売却する方法はありません。
結局は査定時に他社が査定した金額でしか売れなかった、な~んてことはこの業界では茶飯事。
あなたが取り得るこの悲劇への防御策は2つです。
1つ目はしっかりした不動産会社を選ぶこと。
2つ目は自ら相場を調べ、不動産屋の言うことを鵜呑みにしないことです。
一見誠実そうな海千山千の営業マンに騙されないで下さいね。

アパートなどの収益物件の売却の流れ

売却を委託する不動産会社を決めたらいよいよ売却活動が始まります。
一般的には「楽待」や「健美家」などのインターネット媒体、自社ホームページなどに物件情報を掲載します。
晴れて買主が見つかり、取引条件が合意できれば、まずは売買契約を締結し手付金を預かります。
その後、数週間を経て残代金を受け取り、同時に物件を引渡して無事、売却が完了となります。
賃借人がいる場合、特に売却に際して賃借人の承諾を得る必要はなく、物件の引き渡しと同時に買主が通知することで賃貸人としての地位が当然に移転します。

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tomita