戸建を売却する流れ

戸建売却の全体の流れ

戸建住宅の売却は難易度が高いのです。マンションと異なり、土地と建物2つの要素がある上に、個別性が非常に高いからです。売却の流れとしては以下となります。

①査定
②不動産会社との媒介契約の締結
③売却活動の開始
④売買契約の締結
⑤決済・物件の引き渡し

しかし、実は①の査定前にやることがあります。商品化です。
商品化のためには道路を含む、全ての隣地との境界確認が必要です。
売却する土地の所有権の範囲を明確にするのです。
築年数が10年程度の家であれば恐らく全ての隣地との間で境界確認が完了している可能性が高いですが、それ以前、特に昭和に建てられた家は境界確認が未完了の可能性が高いです。
境界確認が未完了の場合、どのようなことが起こるかといういと、ワーストケースでは売却できません。
実際に境界確認が未完了の物件は買わない、というデベロッパーなどの買主は数多く存在しますし、銀行が融資をしないケースも多々あります。
仮に売却できても商品化されていないため、足元を見られるので高値での売却は望めません。
境界確認はまずは不動産会社に相談しましょう。
不動産会社が測量士や土地家屋調査士を手配します。

その後は土地家屋調査士、不動産会社、売主様の3者で隣地の所有者にご挨拶し、売主様の土地の測量を行います。
測量が完了したら、各隣地の所有者と境界確認書という書面を取り交わします。
この際に「確定測量図」という図面が添付され、全ての隣地の方々と境界確認書を取り交わすことで初めて売主様の家が商品化するのです。

建物ですが本来は専門の機関で建物診断を行い、建物の状態を正確に把握することが好ましいのですが、現在の日本ではここまで求められてはいません。
建物診断書があれば買主は安心して購入することができます。
そもそも日本では戸建住宅の建物は築後10年程度で市場価値はなくなってしまうのが一般的です。
ですので建物診断書が必要とされないのです。

土地の測量及び境界確認書の取得と同時に不動産会社に査定を依頼します。
査定が納得する金額であり、全ての隣地の所有者と境界確認書を取り交わしたら、不動産会社と媒介契約を締結し、いよいよ売却開始です。
早ければ1週間、遅ければいつまでも売却活動を続けることになります。
買主が見つかれば売買契約を締結します。
売買契約締結後、約1ヵ月後に売買代金の決済・物件の引き渡しを行い、売却は完了となります。

戸建の査定の流れと不動産会社選定の注意点

不動産会社による売却活動の開始には査定が必要となります。
当たり前ですが売却価格をいくらに設定するかは大変重要です。
ただし査定には注意が必要です。

複数の不動産会社から査定を受ける場合、不動産会社はあなたから売却依頼が欲しいために、まず売れない価格での査定金額を提示するからです。
素人のあなたには希望的観測も刺激され、こんなに高く売れるんだ!と舞い上がってしまうのですが不動産屋の罠です。
人気のマンションの人気の部屋、なかなか売り物がでない超一等地の物件でれば市場価格を遥かに超える価格で売却できることがありますが、それはかなりのレアケースです。
個別性が強い不動産といえど相場はあるのです。
最も高い査定を提示した不動産屋に売却を委託すると悲劇が発生します。
そうです、売れないのです。
当たり前ですが相場より遥かに高い価格の物件を買う人は基本的にいません。
時間ばかり経過し、一向に売れない状況に陥ります。時間の経過と売れないという現実にあなたの焦燥感は強まるばかりです。半年も売れない期間が続くと、不動産屋はあなたの焦りを見透かしたかのように、「値下げしましょう!」と悪魔の囁きをしてくるのです。
こうなると後の祭りで値下げするしか売却する方法はありません。

結局は査定時に他社が査定した金額でしか売れなかった、な~んてことはこの業界では茶飯事。あなたが取り得るこの悲劇への防御策は2つです。
1つ目は大手だからと安心せずにしっかりとした不動産会社を選ぶこと。
2つ目は自ら相場を調べ、不動産屋の言うことを鵜呑みにしないことです。
一見誠実そうな海千山千の営業マンに騙されないで下さいね。

戸建の売却の流れ

売却を委託する不動産会社を決めたらいよいよ売却活動が始まります。
一般的にはsuumoやathomeなどのインターネット媒体、自社ホームページなどに物件情報を掲載します。
アナログでは物件周辺にチラシを撒く、現地でオープンハウスを開催する、というのが王道です。
しっかりした不動産会社であれば売却方法も事前にあなたと相談します。
近所に知られずに水面下で売却したい、ということでればそのリクエストに応じ、内内で買主を探すことになります。
晴れて買主が見つかり、取引条件が合意できれば、まずは売買契約を締結し手付金を預かります。
その後、数週間を経て残代金を受け取り、同時に物件を引渡して無事、売却が完了となります。

Follow me!

投稿者プロフィール

tomita