ビルを売却するときの注意点
個人のビルオーナーがビルを売却する場合、住宅を売却するときと比べてわからないことだらけです。相場がわからない、周囲に相談できる人間がいない、稼働率が低い、築年数が古く建物の老朽化が著しいなど、理由は数多あります。
「ビル売却コラム」ではビルを売却する際の重要なポイントを整理し、理解して頂くための有益な情報を発信していきます。
今回のテーマは「ビルを売却するときの注意点」です。
ビルを売却するときの注意点その1 売却戦略を決める
ビルを売却するときの注意点その1 ①概要
中古ビル、特に小規模な中古1棟ビルの売却は困難です。
理由は簡単で、売る人も買う人も相場がわからないからです。
なぜ相場がわからないかというと、マンション、一戸建て、土地など多くの取引事例がある不動産と違ってビルの取引事例は少ないからです。
また、ビルは住宅と比べて個別性が高いことも相場の把握が難しい要因の一つです。
では売却を考えるとき、まずは何をすればいいのでしょうか?
まずは戦略の構築です。
ビルの売却には大別して、①実需(自社ビル)として売る、②収益物件(オーナーチェンジ)として売る、③再開発用地として売る、の3パターンがあります。
どのパターンで売却活動を進めるかをご自身で判断することは大変難しいです。
なぜならばいずれのパターンも相場がわからないからです。
ビルを売却するときの注意点その1 ②自社ビルとして売る
ビルを実需(自社ビル)として売る場合、広く買主を探しますが簡単ではなく、時間がかかる場合が大半です。
なぜなら自社ビルを探している買主は広さだけではなく、使い勝手、築年数、設備、エリア、ロケーションなど多くの希望条件があるからです。
マンションのように、70㎡以上の3LDKで駅徒歩5分!とシンプルにいかないのです。
実需として売る場合、現オーナーも自社ビルとして使用していることが前提となります。
自社ビルとして使用していない場合、賃借人(テナント)が入居しているため、これらの賃借人を退去させる(いわゆる立ち退き)必要があるからです。
こちらに関しては費用対効果を十分に検証する必要がありますが、既存賃借人の立ち退きには費用と時間がかかるため、まずはどうすれば現状で売却できるかを検証することです。
ビルを売却するときの注意点その1 ③収益物件として売る
ビルを収益物件(オーナーチェンジ)として売る場合、買主を見つけることは比較的容易です。
収益物件は実需と違い、その時々で相場が形成されているからです。
例えば東京都心部の中規模ビルであれば利回り5%!といった具合に投資家には相場観があります。
ただし、小規模ビルの場合は賃借人の賃料相場がわかりにくく、利回り観はあるものの賃料相場がわからない、といった問題が生じます。
中古築古ビルの賃料相場は比較対象物件が少なく、賃料相場の把握が難しいのです。
また、収益物件として売る場合、賃料水準に加え、稼働率も重要になってきます。
どんなに高い賃料で賃借人が入居していても、稼働率が低い(空室率が高い)と投資家から高い評価を受けられないからです。
稼働率が低い場合は、リノベーションなどを行う、募集賃料を下げるなどで、稼働率を上げることで高く売れる可能性が高まります。また、昨今では中古築古1棟ビルをリノベーションした後に賃借人を入居させて収益物件として転売する不動産会社も一定数いるので、物件の特性を鑑みて個別に売却戦略を立てて実行することが早期高値売却のコツです。
ビルを売却するときの注意点その2 建物の状態を把握する
特に小規模な築古中古ビルの場合、建物の図面(竣工図書)や遵法性を証する書類(役所関連書類)がない場合が多いです。
ビルオーナーの方々は、このような状態で果たして売却できるのか?というお悩みを抱えているのではないでしょうか。
竣工図書を紛失している場合、設計建築事務所などが再作成してくれますが厄介なのは役所関連書類を紛失している場合です。
これは大変な大問題であり、売却に大きな支障をきたします。
ビルは建築基準法などの関係法令に従って建てられている必要があり、同法令に違反してる場合は、少なくとも購入に際して銀行がお金を貸さないからです。
銀行がお金を貸さないということは、現金で買う買主にしか売れず、当然に足元を見られて安く買いたたかれることになります。
では役所関係書類がないと絶望的なのでしょうか?
安心して下さい。
方法はあるのです。
まずは建物がある区域の役所に行きましょう。
役所で、「台帳記載事項証明書」を下さい!と大声で叫んで下さい!
そうすれば昨今丁寧な役所職員が直ぐに対応してくれます。
「台帳記載事項証明書」が取得できればめでたしめでたしです。
建築確認申請書、建築確認済証、検査済証がなくても、あなたのビルは関係法令を遵守した立派なビルですよ、高く売れますよ、と役所がお墨付きを与えてくれたのです。
おめでとうございます!
では、せっかく役所に足を運んだのに、残念ながら、あなたのビルに「台帳記載事項証明書」は出せません!と言われたらどうしたらいいのでしょうか?
この可能性もそれなりにあるのです。
ではもう絶望の淵に立ち、高値での売却を諦めるしかないのでしょうか?
方法があるにはあります。
このような状態のオーナー様は個別にご相談下さい。
法的な手続きに則った適正な対処方法がありますのでご安心下さい。
ただし、全てのビルに対応可能ではないため、個別相談となります。
ビルの売却は多くの論点があり、マンションのように簡単には売却できません。
不動産会社も得手不得手があり、万能ではありません。住宅の取引は得意でもビルの取引はまるでわからない、でも依頼されたからやります、ではオーナーの方々にとってデメリットでしかありません。
まずはできる範囲でご自身で調べ、安心して任せられる不動産会社に相談しましょう。
シン不動産DX株式会社の自社ビル・一棟ビル売却について
シン不動産DX株式会社は自社ビル・一棟ビルの売却をサポートする不動産会社です。
「築年数が経ってなかなか売れない」「空室が多くて売りにくい」などのビル売却のお悩みに専門スタッフが最適なご提案をします。
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