ビル売却の注意点 ~賃貸面積と賃料の関係~

ビルを賃貸しているオーナーの方々、賃貸面積と賃料との相関関係は理解されてますか?
もちろんされてますよね!
そりゃあ~大きいほうが高いに決まってるやん!ってまあそうなのですが、ことは単純にそうではないのです。
今回は意外と知られていない、賃貸面積と賃料の関係についてのコラムです。


ビル売却の注意点 賃貸面積と賃料の関係 概要① 

突然ですが、ビルとマンション、オフィスなどの事業用賃貸物件とマンションなどの居住用賃貸物件との賃料決定のメカニズムの違いについて説明できますか?
これを正確に理解していないと、所有するビルの評価が正確にはできません。
まずはマンションなどの居住用物件の賃料ですが、広くなればなるほど㎡単価や坪単価は下がります。
簡単に検証できるのですが同条件でワンルームタイプとファミリータイプの物件を比べた場合、ワンルームタイプのほうが賃料単価が上がります。
なぜかというと、賃料総額が小さいことと、広くなればなるほど需要が減るからです。
つまり賃貸面積が広くなり、賃料総額が大きくなることで借り手が少なくなるのです。
だからワンルーム投資業者が蔓延るんですねえ、ワンルームなら貸しやすい、賃料単価も高い、というのがセールストークの常套句です。
気を付けましょう!

ビル売却の注意点 賃貸面積と賃料の関係 概要②

ではビルも居住用物件と同じメカニズムで賃料が決まるのでしょうか?
そうであれば小さければ小さいほどビルオーナーにとって収益性が向上するということになるのですが、果たしてどうでしょうか?
商業ビルかオフィスビルかでも異なるため、明確に間違っています!とは言い切れないのですが、オフィスビルを前提とすれば一般的には居住用物件と異なり、賃貸面積が広くなればなるほど賃料単価が上がるのが事業用物件なんです。
そんなばかな!と意外だったでしょうか?
なぜかというと、これも需給バランスが主因と考えられます。
みなさんも町を歩けば簡単に分かりますが、大手町や丸の内などのオフィス街に行かない限り、大きなビルはあまり見ませんよね?
そうなんです、大規模ビルは少ないんです!
大企業が入居できるビルは限られるんです!
大企業は高い賃料が払えるんです!
だからビルは大きければ大きいほど賃料単価が上がるんです!
1フロアの賃貸面積が20㎡しかないビルで月額家賃の坪単価5万円はとれませんが、500㎡あればとれるんです!
そんなばかな!理不尽極まりない!といってもこれが現実なのです。

ビル売却の注意点 賃貸面積と賃料の関係 売却価格への反映

さあ、これであなたは賃貸面積と賃料の相関関係を正確に理解できましたね。
理解できたところで、いよいよ所有するビルの評価への反映です。
今までは、近くにある大規模ビルの賃料月坪単価が○○円だから、ウチのビルの賃料は○○円×賃貸面積やな!と計算していませんでしたか?
残念ながらそれは通用しません。
さらに残念なことに大規模ビルは築古になってもそんなに賃料が下がらないんですよね~、ずるいですが一定の需要があるんですねえ。
ですのであなたが所有するビルが小規模築古であれば、①賃貸面積と②築年数の2つの係数がマイナスにはたらくので、全く比べものにならない賃料単価になってしまうんです。
おそろしいですねえ。
さあ、十分に現実が理解できたところで最後の仕上げです。
賃貸面積に現実的な賃料単価を設定し、満室想定の賃料総額を算出しましょう!それに稼働率を90~95%程度に設定し、利回り(5~7%程度)で割れば大体の売却価格がわかります。
簡単ですね!

今回はいかがだったでしょうか?
うなだれてしまった方も多かったのではないでしょうか?
投資用として築古中古ビルを売却する場合は、上記のような賃料決定のメカニズムを理解する必要があるのです。
厳しいですが現実を受け入れることから明るい未来への一歩が始まります。
上記を踏まえ、弊社ではあなたが所有する築古中古ビルの最適な売却戦略を立案しますので、お気軽にお問い合わせください。

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tomita